大判例

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名古屋高等裁判所金沢支部 昭和26年(う)94号 判決

原判決挙示の証拠によれば被告人は福井県農地課長としての職務に関し福井県坂井郡兵庫村外百十数ケ村が自作農創設特別措置法の規定に基き農地等の売渡を受けた小作人等から徴収した右農地等の対価合計金千八百余万円を各市町村に代り一括日本銀行に納入する為めこれを被告人名義で日本勧業銀行福井支店に預け入れて業務上占有中原判示意図の下に原判示日時の間四回位に亘り内金千五百四十六万一千八百七十五円十九銭をほしいまゝに引き出し原判示証券会社等で日鉄等の株券購入の資に不法に費消横領したことを認定するに十分である。自作農創設特別措置法第二十六条の二、農地対価等徴収規則の各規定に原審の取調た証拠を併せ考えると、農地等の対価は市町村がこれを徴収して自ら日本銀行に納付すべき職責を有することは明かであるが、福井県の実務取扱の慣例として各市町村の徴収金流用等の弊を防止するなどの行政監督上の目的から農地部長通牒を発して徴収金を市町村より県の管理に移し前記の如く農地課長としての被告人名義の預金として一時これを保管せしめたものであつて、このような措置の適、不適法の問題は別論とし被告人の該金員の保管は市町村の行う農地等対価の徴収並に納付に関する被告人の監督指導の職務に根拠を有することは否定し得ないところであり、原判決がこれを業務上の占有と認めたことは違法ではない。論旨は理由がない。

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